

紙媒体の使いどころ
紙媒体の使いどころ
ポストに入っているピザのチラシに、紙媒体の特性と弱点を同時にみる。私は宅配のピザは滅多にたのまない。4年に1度もたのまないから、オリンピックより稀だ。そんな私への広告は費用対効果がわるい。紙の原料の多くは植物だから、捨てるチラシにもったいないという思いがつきまとう。
紙媒体の特性とは、独特の質感・情感である。おなじ内容であっても、電子メールと手紙では、受け手は異なる質感・情感を得る。手書きであればなおさらだ。言わば情報媒体として電子よりも丁寧な印象を展開することができる。文化的な基礎が印象の根源にあるのかもしれない。
紙媒体の弱点とは、とくに広告において、単にバラまくという旧態依然の非効率だ。上述したように、バラまくだけの広告は費用対効果がわるい。いわゆるコンバージョン(conversion)が低いというやつだ。
特性は活かし、弱点は抑える、言わば使いどころをおさえた紙媒体がある。株式会社シグマ(SIGMA)が発行していた『SEIN』という冊子。ターゲティングを前提とし、丁寧に発行されたバラまきではない紙媒体だ。シグマの製品購入済みであるというターゲティングからの紙媒体なので、捨てられるチラシのようにはなりにくい。現に同社のカメラを愛用する私は全巻、大切に保存している。
ターゲティングを行い、より質感・情感の豊かな、丁寧な締めの情報として紙媒体を位置付ける。紙媒体が時代遅れかどうかより、媒体の特性を熟知し、時代に合う使い分けが必要である。

